LOGO LAB JOURNAL

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PRO'S NOTE #02

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ロゴ提案で「3案」をどう分ける? 似た案にしないための考え方

ロゴを3案提案するとき、色やフォント違いだけでは比較しにくくなります。同じ依頼内容から異なる方向性を作る方法を、実際に制作したDモチーフ3案で解説します。

ロゴ制作で3案を提案するとき、単純に3つ作ればいいわけではありません。色だけ変える。フォントだけ変える。形を少し変える。これでは3つ並んでいても、実質的には同じ方向の案になってしまいます。

3案を出す意味は、完成形を3つ見せることではなく、「この会社を、どの視点からロゴにするか」という方向性を比較してもらうことだと思っています。

今回は、過去に実際に制作したDモチーフの未採用案3点を使って、その違いを見てみます。どの案が優れているかではなく、同じ文字をどう扱い分けたかに注目します。

01 / THREE DIRECTIONS

3案は、3つ作ればいいわけではない

色、フォント、配置だけを変えた3案では、クライアントが比べられるのは好みの差だけです。会社の何を前に出すかという方向までは選べません。

3案を出すなら、それぞれに違う役割が必要です。何を一番伝えるのか。どこから形を考えるのか。どんな構成方法を使うのか。見た目を作る前の段階から分けます。

02 / STARTING POINT

同じ依頼内容でも、入口を変えられる

同じ依頼内容でも、どの価値を先頭に置くかは変えられます。信頼を中心に考える案、事業の特徴を象徴化する案、これからの成長を見せる案。どれも依頼内容には沿いながら、答えの入口が違います。

モチーフが同じ場合も同様です。文字をそのまま見せるのか、余白から感じさせるのか、要素へ分けて組み直すのか。モチーフの選択だけでなく、扱い方まで変えると方向性が分かれます。

REAL WORK / D-MOTIF COMPARISON

同じ「D」でも、考え方を変えるとここまで変わる

A

太いDの骨格に、右上へ向かう斜めの白い抜きを入れた未採用ロゴ案

Dの骨格を残す

B

複数の曲線と中央の余白によってDを感じさせる未採用ロゴ案

曲線と余白でDを感じさせる

C

三つの曲線パーツと中央の余白によってDを構成した未採用ロゴ案

Dを分解し、構成で見せる

過去に制作した未採用案より。クライアント情報を除いて掲載。
Dの見せ方
A骨格を残す
B余白から感じさせる
C構成全体で見せる
構成
A一体型
B曲線主体
C3パーツの分割型
特徴
A太い外形と斜めの抜き
B流線と中央の形
C外周の流れと中央の余白

3案とも、出発点はアルファベットのDです。A案はDの骨格を比較的はっきり残し、太い外形へ斜めの白い抜きを入れています。右方向へ流れるようにも見える強い形です。これは造形からの読みであり、元案件の意図を説明するものではありません。

B案はDの輪郭を直接描くより、複数の曲線と余白の関係からDを感じさせています。中央の形も構成の一部となり、一体型のA案より文字そのものから離れた方向です。

C案はDを三つの曲線パーツへ分けています。外周の流れと中央の余白を合わせて、構成全体からDらしさを作る案です。三つを並べると、同じ文字でも、骨格、曲線、余白、分け方によって見え方が変わることが分かります。

03 / BEFORE FORM

3案の違いは「形」より前にある

A、B、Cの違いは、線や色の違いだけではありません。文字の骨格をどこまで残すか。文字を直接描くか、余白から感じさせるか。形を一体で作るか、パーツへ分けるか。造形の前提が違います。

3案を分けるときは、「何のモチーフを使うか」だけで止めません。「そのモチーフをどう扱うか」まで決めます。ここが違えば、同じDからでも独立した方向性を作れます。

トレンドを一案に取り入れるときも、流行の形ではなく案件の課題から採用理由を説明します。

ロゴデザインのトレンドを提案に使う判断基準 →

04 / QUALITY

3案すべてを「選ばれてもいい案」にする

本命案をよく見せるために、弱い案を2つ添えることはしません。どの案にも成立する理由があり、どれが選ばれてもデザイナーとして説明できる状態にします。

もちろん、自分の中で推したい案はあります。そのときは、なぜその案が課題に合うのかを伝えます。ほかの案の完成度を下げて誘導するのではなく、評価の基準を共有したうえで意見を出します。

05 / RANGE

似すぎても、離れすぎてもいけない

3案が似すぎると、方向性を比べられません。反対に、違いを作ろうとして依頼内容から外れた案まで出すと、それも比較になりません。

共通する条件を守りながら、考え方と構成方法を変えることが大切です。今回の3案ならDという共通点があるため、抽象度が変わっても、何を比較しているのかが見失われません。

06 / PRESENTATION

提案書では「何が違うか」を先に伝える

提案時に「Aは太い」「Bは曲線が多い」と説明するだけでは、クライアントは形の好みで選ぶしかありません。文字の骨格を残した案、余白から文字を感じさせる案、パーツの構成で見せる案、と最初に見る軸を示します。

形の説明は、その考え方をどう実現したかを話すために使います。なぜ骨格を残したのか。なぜ輪郭を閉じなかったのか。なぜパーツへ分けたのか。考え方と形がつながれば、意見も「好き・嫌い」から一歩進みます。

07 / ALIGNMENT

3案提案は、クライアントと方向性を合わせるためのもの

3案は、デザイナーの引き出しの多さを見せるためのものではありません。クライアントと一緒に、この会社の何を一番伝えるかを確かめるためのものです。

選ばれなかった案も無駄ではありません。「技術より信頼を前に出したい」「未来性は必要だが、軽くは見せたくない」と分かれば、その後の調整基準になります。3案を比べる価値は、完成形を当てることより、判断の軸をそろえることにあります。

3案の違いを、シートで整理する

KITの「3案提案整理シート」で、案ごとの方向性と比較する条件を整理できます。

形を作る前の検討や、提案時に違いを伝える準備に使えます。

2,980円(税込・買い切り)

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SOURCE / 出典

  • LOGO LAB JOURNAL制作者による過去の未採用ロゴ案3点と、造形に基づく実務整理。クライアント情報は掲載していません。